その手に触れたくて
15
夏美から連絡が入った次の日の13時。あたしは待ち合わせ場所に急いで駆け付けた。
Γ美月ー!!」
学校から近くのカフェの前で両手を大きく振っている夏美と、その横に居る相沢さんは手招きをしていた。
Γごめんね、相沢さん…」
制服を着た相沢さんに申し訳なく目の前で手を合わせる。
Γううん…全然いいよ」
Γ学校終わってからでも良かったのに」
Γそうしようと思った――…」
Γだって、つまんないんだもん。美月いないしさぁーだから相沢さんとサボっちゃえって感じて」
相沢さんが言い掛けた言葉を遮って明るく夏美は口を開いた。そんな夏美に相沢は少し苦笑い気味に薄ら笑う。
あたしの事を気遣ってんのかいつも通りの夏美に少しホッとした。
あたしの事を気遣って夏美まで落ち込んでたら何となく申し訳なく感じるし…
Γ入ろっか。ここ相沢さんのオススメの店だって」
そう言った夏美は店に指差し目線を向けた。
Γそうなんだ」
Γうん、ロイヤルミルクティーとか飲める?」
相沢さんはあたしに向かってそう問い掛ける。
Γうん飲めるよ」
Γ凄い濃厚で美味しいんだよ」
Γへぇーそうなんだ。じゃあ、あたしそれで」
Γあたしもそれにするー」
あたしに続いて上機嫌に夏美は応え、店の中に足を踏み入れる夏美に続いてあたしと相沢さんは足を進ませた。