その手に触れたくて
「じゃなくて、聞いて美月!!」
さっきよりも声を上げた夏美はあたしの腕を掴んで激しく揺すった。
「……」
「ナオから聞くには相手の奴らが美月を狙うって言ってた。あぁ言う世界ってさ、大切な物を壊せばいいみたいになっててさ、その隼人の大切な物が“美月”だった」
「……」
心臓って凄いと思った。
少しの感情でここまで早く打ち付ける。
壊れてしまうんじゃないかってくらいの早さ。
胸が痛い…
胸が苦しいのは、
何故?
「ナオ達もさ、どうして隼人があそこに行ったのとか全然知らなかったみたいでさ。で、裏を探ったらそんな事だったらしい」
「……」
「美月をさ…壊す事になってたんだって」
「……」
思わず目をキツク閉じたあたしは唇が切れるほど強く噛みしめた。
「その事を知った隼人はさ、やっぱ美月を守ろうとするじゃん。…で、交換条件に出されたのが隼人があそこに行く事。もちろん貰った金は奴らの手に回ってたみたいだけど…」
「……」
あたしの感情が言う事を聞いてはくれなかった。
きつく閉じている目から何かが頬を伝っていく。
何してんのよ、隼人…
ごめん。ごめんね、隼人…