虹色サイダー
「……え、今なんて?」



虎を預かって二日目。


彼から出た意外な言葉に、俺は思わず耳を疑った。



だけど。



「…………」



二回目は、言わないわけね!?


まったくどうしてこうも意地っ張りなんだか……



そうは思いつつも数少ない頼みごと、叶えてあげたい気分はたっぷり。



「じゃあちょっと待っててくれる? 買い物してくるから」



フローリングの上で胡坐をかく虎に告げると、ただ頷いたので俺は財布片手に立ち上がり、部屋を出た。


 
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