虹色サイダー
それなら平気かも、と思ってほっとしていたところ。



長い腕が伸びてきて、私の襟元を掴んで引っ張られたので。


乙女の直感で危機を察知した私は、間にあるテーブルを思わず両手で押してしまった。



尤も、その反撃も朝虎にはあっさり空いている手で止められて。


至極愉快そうな表情が見えたので、万事休すか、と冷や汗をかいて固まると。



「冗談だ」



そんな声が聞こえてきて、やっぱり前言は撤回してやろうと思った。


 
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