メイドのお仕事


もやもやした気持ちを晴らすため、俺は外へ出た。

晴れるはずがない事は承知だったが。




中庭を通らないように遠回りをして校門を出る。



…といっても行く当てはない。


だからといって教室に戻ったって暇なだけ。



適当にブラブラしようと、大通りに出る。

無駄に長いんだよな、この学校の昼休み。


あいつらといる時はそんな事思ったこともないのに。







―――ドンッ!


「っ…きゃ」


上の空状態で歩いていると、誰かにぶつかった。



「いってぇな…」

「あ、ごめんなさい!」


飛び出してきたのはそっちだ、俺に非はない。


「本当にごめんなさい!!!」

「もういいって」


適当にあしらって反対方向を向く。




歩こうとしたのだが、それは叶わなかった。




「……なに」


振り向くと真っ赤な顔をして俯いてる女。



あぁ、面倒くさい予感がする。



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