お嬢様とヤンキー

流れ星



「あなたがユリ子?」

「誰!?」

ユリ子は少なくとも呼び捨てされたことに腹がたった。


「あたし、ミンク」

「あ・・・・・・」

気の強そうな人。

さっき、蓮山と一緒にいた人だ。

嫌み言われそう。

ユリ子は俯く。



ミンクはユリ子の横にあぐらをかいて座る。


「あのっ!」

ユリ子の突然大声にミンクは構えた。

「な、なによ」

「ミンクさんこそ、なにか用があるんじゃないかしら」

「やめてよ」

ミンクはお腹を抱えて笑う。
ユリ子はミンクのひとつひとつの動作が気に触る。




美しくない。

女性らしくないのだ。


ユリ子が生まれたときから、

言いつけられていたこと。

それらを一切、彼女には備わっていない。



涙まで流し、笑ったミンクはユリ子を気に入ったようだ。

「呼び捨てでいいよ」

「はい、じゃあ、そう呼びます」

「なんか、堅いなあ」

「ミンクさんが砕けすぎなんだと思います」

「もう!呼び捨て!」




ミンクはユリ子にないものを持っている。



「ねぇ、ユリ子」

「なに?」



とても素直な人だ。

だから、思ったことも平気で聞けちゃう。


「恭介のこと好き?」

「・・・・・・」

「私はね、好きだよ」


平気で口にできちゃう。


ユリ子は、ミンクを羨ましく思った。

< 144 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop