お嬢様とヤンキー

「南北戦争だけ出る気かよ。いいトコ取りだなぁ」


「バイクで勝負できんのそん時しなかいじゃん。いつも殴り合いの喧嘩で勝負だし」


「恭介が出るのはいつも1対1(タイマン)だろ?」


「そうなんだよなぁ。バイクの方に出してもらえないんだよなぁ」


「南北戦争に出れるだけありがたいと思え!」


弘人はいつもベンチ(補欠)だ。

南北戦争はみっつの試合を行って、勝利した数で競う。

ひとつ目は団員の新人が一人ずつ代表として一対一で戦うものだ。
(通称:ルーキー)

ふたつ目は中央に位置する白馬山の頂上から麓(ふもと)までの速さを競う。
(通称:バイク)

みっつ目は団員から先発された5人が戦うもので、「総長戦」とも呼ばれる。
(通称:タイマン)

一対一で勝った人はそのまま残り、負けた人は交代。
順番はだれでもいいが、最後は総長と決まっていて、総長が倒されたら負け。


突発的な喧嘩ではなくて、きちんとした公式的な喧嘩みたいなものだ。

毎年、七夕に行われる。

その期日は明日に迫っていた。



「メンバーは今日、発表?」

「ああ。だから来いよ。メンバーから外されるぞ」

「それはないだろ~。落とされることはあったとしても」

タイマンに出れることは名誉なことなのだ。

大抵の場合、タイマンが強いやつはバイクの腕もいい。

しかし、タイマンが最優先されているのが現状。

蓮山はバイクの試合に出たいのだ。



タイマンから落ちるとは、バイクの代表になる、ということ。

「自信満々だなぁ、おい」

それでも選ばれない弘人。


「弘人だって・・・・・・」


再び、蓮山はユリ子の方へ目を向けるが姿がなかった。


「おい、恭介?どうした?」




どこいった?




「恭介?聞こえてるか?」



不安が過ぎる。

「あー、ダメ。トイレいく。じゃあな」


「お、おい・・・・・・ブチッ




< 47 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop