お嬢様とヤンキー
「起きてたのか」
蓮山は掴んだ手をはなした。
反動をつけて、上半身を起こす弘人。
「おはよう!恭介くん」
そして、元気のいい挨拶。
これはきっと今起きたばかりって感じではない。
だいぶ前から、話、聞いてたな。
「おはよう。いつから起きてた?」
「恭介くんがその手をやらしそうにユリ子ちゃんの肩を掴む手前から」
「その笑顔のほうがやらしいんだよっ」
蓮山が蹴りをいれると、弘人はわざとらしく転がった。
「きゃあ!大丈夫ですか!?」
ユリ子が慌てて駆け寄る。
「ほっとけ、そんな奴。それより朝ごはんにするぞ」
―――よかった。
紫煙さんの話は聞こえてなかったみたいだ。
ユリ子なら関わりがないから、つい話してしまったけれど、
弘人にきかれるのはまずい。
俺が紫煙さんと交わした約束、だから。