お嬢様とヤンキー
逃走1日目

高校へ行ったらきっと今朝のことが学校に伝わっている。

次のバス停で降りてしまおうか。

それとも、通りすぎてしまおうか。




「ねぇ、ねぇ」

ユリ子は突然、肩をたたかれ呼ばれていることにきづいた。


「はい、なんでしょうか?」

「白馬台高校ってどこで降りればいいか知ってる?」

「え、と・・・」


ユリ子は彼の制服をひとめみると、すぐに見覚えがあることに気づく。

明らかに校則違反で髪はゴールド。

長くはない、短めでバランスよく跳ねている髪。

彼のセンスのよさが伺える。



朝、窓からみていた通学路。

ユリ子は人の間を割って外をみる。

「確か・・・」

ユリ子は目を細めた。

彼も同じように覗こうとすると、ユリ子は顔を彼に向けた。


近すぎて、ふたりは僅かな距離を保つ。


「次!次、降りるんだと思います」


「お、おう」
ユリ子の勢いに押されて彼はすこし驚いた様子。






もう7月なのに、どうしてこの人は降りる駅もわからないんだろう。


一年生だとしてももう3ヶ月は経ってるのに、
どれだけ不良、いや、ヤンキー・・・―――



プシュー


「ちょ、ちょっとあなた!」

乗車口から降りようとするヤンキー。

車内はこちらの状況把握をしはじめる。



「ちっ」




ユリ子の腕を掴み、ひっぱる。




―――へ?





ええぇえええ!?

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