お大事にしてください
無2
「痛っ。」
玄関を開けてすぐに、理緒は何かにつまづいた。見るとゴミ袋だ。ゴミ袋の中には、何か堅い物が入っているらしいが、そんな事にいちいち構っていられない。
何故なら理緒の目の前には、同じようなゴミ袋が山のように積まれているからだ。
「お母さん、玄関にはゴミ置かないでって言ってるでしょ。」
すると、奥から母親が出て来た。
「おかえり。あ、それゴミじゃないよ。鍋、鍋。さっき買って来たんだけど、しまう場所ないからさぁ・・・。」
「しまう場所ないなら買わなきゃいいでしょ。なんで、いつもそう無駄な物買ってくる訳?」
「だって、安かったんだもん。」
「安くたって、使いもしない物、買ってもしょうがないでしょ。いったい、何度言ったらわかるのよ。」
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