狐面の主人




「五穂、終わったか?」




入って来たのは、外で待っている筈の炎尾だった。

どうやら、中々呼びに来ない五穂が気になったようだ。





「あ…、あっ、炎尾様…!
お待たせ致しました…!」


申し訳無さに、五穂はその場でまた土下座をした。






【(うぉっ!こら、イキナリ屈むなっ!
危うく落ちるとこだったろっ!)】


「(ぅ…、が、我慢なさって下さい…っ!
私も…くすぐったくて……っ!)」



なんと雨珠は、炎尾が入って来た瞬間、五穂の懐に潜り込んだのだった。

お陰で五穂は、くすぐったさに顔が妙に歪んでいる。


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