SUMMER DAYS -24's Outsider Love Songs-
風のない夜
(やっぱり来ていないか...)
その日、2曲目のサビを歌いながら、僕はある人物の顔を探していた。

100人も入れば一杯になる規模のライブハウス。今日の入りは70人程だろうか。
(違う...、違う...、あの子も違う...)
客席最後列の観客を見回して、僕はその子の顔を捜す事を諦めた。

(この曲が終わったら次はMCだな)
気を取り直した僕はモニタースピーカーに足を掛け、一瞬目を閉じ、あらん限りの力でシャウトを決めた。
曲は二度目のサビからギターソロへ突入していた。
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