ライン
ライン
けれど、きっともう、届かない。
だから、今度は私が線を引こう。
まだ、あどけなさを残したこの男の為に。
私はそいつの足の甲を思い切り踏んだ。
「いっ」
緩んだ腕から抜け出して振り向いた。
「東大で待っててやるよ」
痛みに歪む顔を見下ろした。
待ってる。
いつか、こいつが、ほかの誰かに心変わりをするかもしれないけれど。
それまでは。
痛みと驚きで、変な顔になってるこいつを、