遊女と経営者の恋愛事情

「………?!」


声のした方を振り返ると
車から降りて来て堤防へ近付いて来る龍也さんがいた。


私は慌てて立ち上がると堤防を下りて
龍也さんとは反対方向へ走る。
とにかく全力疾走して走るも、いとも簡単に追い付かれて腕をぐっと掴まれた。


「ハァッ…ハァ…は、離してっ!!」


「ハァッ……お前なぁ…何やってんだ!!馬鹿も大概にしとけや!!」


息を切らしながら大声で怒鳴る龍也さん。
腕を掴む手が力強くて、振りほどこうとしてもビクともしない。


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