イチ*コイ

―想いを胸に 君を腕に




「…ん…」


 瞼をゆっくり持ち上げる。

 視界に入ったのは蛍光で光る星を貼られた天井だった。

 どこだ…ここ。


「あ、斗真くん!目ぇ覚めた!?
 …よかったぁ」


 ほっと息を吐く美華。


「美華…何でお前が、つかここどこだよ?」

「斗真くん気絶しちゃったから…うちに連れてきたの」


 周りを見渡すとどこか女の子っぽい部屋。

 あ、あんときのブサウサ。

 美華の部屋、か…。


「そうか…」

「うん、何か飲み物持ってくるから待ってて?」


 出ていった美華を見送って、部屋を見回す。

 部屋は6畳くらいの洋室。

 家具は白でまとめられていて、1人掛けの赤いソファが印象的だった。

 布団を掛け直すとほのかに美華の匂いがした。

 ……って、変態かっ。

 俺今美華のベットに寝てんのか!?

 うわ……いや、何も考えるな。

 考えちゃいけねぇ…!

 ベットが宮付きなせいか、枕元にいろんなもんが置いてある。

 時計、眼鏡、それから…写真。

 人じゃなくて、綺麗な夕焼け空だった。

―ガチャっ


「あ、わる…い」


 美華だと思って声を掛けた。

 …ら、ケイさんだった。

 そうだ、ケイさんって美華の兄貴だった…!

 つーことは散々聞かされてた妹って美華だろ!?

 殺 さ れ る ! !


「よお、気分どうだ?」

「…ま、まあまあっす」

「そうか」


 沈黙が痛いっ!

 美華は何してんだよ…っ。







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