イチ*コイ

―君を想って、涙した




「…もうすぐ、卒業式だな」

「…うん、なんか早かったね」

「ああ…」


 こいつと知り合ったのは、4月で

 もうすぐ3月だから1年経つ。

 始めは美華をモテ女にさせようとしたんだよな。

 今もまあ、モテちゃあいるが渡す気はねぇし。


「まだダイエット続けてんのか?」

「うん、ストレッチと…ローラーも使ってるよ」

「へえ、つか何で太ったんだよ?」


 ただの運動不足と間食か?

 まあそれでも納得は出来るが…。


「…えと、うち休みの日とかはおやつが出るんだけど…」

「…おう」

「…乃亜がね、ダイエット中だからあげるって、昔からくれてたの。
 それで……うん」


 …そうゆうことか。

 つーか乃亜の名前、久しぶりに聞いた。

 クラス違うから会ってねぇし。

 美華も何も言って来ねぇし…。

 ほんとに解決したのか、わかんねぇ。


「でも、それで斗真と知り合えたからいいんだ!」

「…そうだな」


 じゃなきゃずっと話さないままだったかもしんねぇ。

 乃亜にも感謝しなきゃなんだよな…。



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