百地外伝~夢と希望
もう一人のナイト


「翔、で、陸上部はどうだったの?」


帰り道、気になってた翔の陸上部のこと聞いてみた。

一番知りたかったのは、翔が百地と何を話してたかってことだけど。


「うん、一年は十五人くらいかな。

全体練習は火木の午後、あと毎日、朝、自主練あるって」

「あたしのことは気にしないで、朝練出なよね、翔」


あたしはすかさずそう言った。

だって、毎朝迎えに来てくれる翔のことだから、きっと気にしてると思ったんだ。


「朝練は、百地と交代で出ることにした」

「……」

「月水金は俺、火木は百地。

で、月水金は俺の代わりに百地が朝、夢子を迎えに行ってくれるって」

「それってどういうこと?」

「そういうこと。

だって、百地、夢子のナイト買って出た訳だし、未来の夢子の王子様だろ?」


あたしは驚きのあまり、言葉を失った。
< 44 / 328 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop