この想いを君に…2
「おめでとう!」

パパが笑顔で光さんを抱きしめる。

「ありがとう」

少し照れた光さんが印象的だった。

「祥太郎もよくやったよ!」

パパはおもいっきり祥太郎を抱きしめると

「そーちゃん、痛い!!」

少し拗ねている。

「あのミスさえなければこのレースは勝てたのに!!」

祥太郎はたまらず叫ぶと

「俺はまだまだ簡単には負けへんから」

光さんは祥太郎の肩をポン、と叩いた。



「光さん、おめでとう!」

あたしが駆け寄ると

「ありがとう…」

光さんは照れ笑いをしてあたしを見つめる。

「むっちゃんに言われると一番嬉しいかも」

そんな事を言われたら。

顔が赤くなるのがわかる。

「睦海、顔赤いで〜」

その横をニヤニヤしながら歩く祥太郎に。

ムカついてあたしは蹴りを入れた。



「お前ー!!光さんのおかげで少しは女らしくなるとかないの?」

祥太郎は蹴られたお尻を撫でながらあたしに言う。

「うるさいな!祥太郎には言われたくない」

その場は笑いに包まれていた。



JSB1000もGP125も同じチームで1・2フィニッシュだなんて。

幸先良いな〜!

あたしはJSBの表彰式を見ながら微笑んだ。
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