この想いを君に…2
さすがに。

みんな教室か食堂でご飯を食べるから、ここにはあたし一人。

春だけど、まだ肌寒い。

…風邪、引くかな。



そんな事を考えながらボーッとしていると。



体育の堺先生が見回りにやって来た。

祥太郎が3年間、担任だったという堺先生。

年齢はパパよりも少し下くらいかな。

確か今は国分くんの担任だ。



「一人か?」

声を掛けられて頷く。

「クラスで食べないの?」

あたしはその質問に下を向いた。

「…確か家庭科の堺先生のクラスだよな?」

よく知ってるなあ、と思って顔を上げる。

「それと…ロードレース?してるんだって?」

「えっ…?」

あたしは本当に驚いてこの男の先生を見つめた。
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