初彼 -ハツカレ-
広い広い
廊下を、
重い体を無理やり引きずって
なるべく体育館の中で1番遠い所へ
あたしは1人で行った。
泣きそうになる眼を、
必死で堪えて、
声を殺して、
見えない所へ行って、
少しの間だけ、
声を殺して泣いた。
あんなにも仲のいい所を
見せ付けられて、………。
思い出したくも無いのに、
必死に覚えたように
はっきりくっきり、
写真のように
思い出してしまった。
思い出してしまう。
思い出した回数の
何倍もの
涙が、
あたしの頬を伝った。