赤と黒の心理学

果て

 ひどいときには男であることをばらす前にバレてしまった。
「良いじゃん!ミウー!」
「ちょっとダメ!ダメだってばー!」
 京の小さな体では普通の男の力に適うはずもなく、無理矢理押し倒されて服を脱がされてしまう。そして
「げっ!!何であるはずのが無くて無いはずのが…!?」
「だからヤメロっつっただろーが!」
体を見られて男だとバレてしまう。
「このオカマ野郎!よくも俺を騙したな!」
「逆ギレしてんじゃねえよ!テメェが無理矢理脱がせたんだろーが!」
 そのまま大喧嘩になるのが毎回のパターンだった。終いには
「うう…こんなに可愛いのに…好きだったのに…野郎だったなんて…。」
と男が泣いてしまう。

「ったくよぉ…男とわかった途端にどいつもこいつも…そんなに性別が大事なのか?まぁ男ってのはヤリたいから体が女じゃなきゃ嫌なんだろうな。俺だったらたとえ妃美子ちゃんが男だろうと女だろうと好きになってるのに…。妃美子ちゃんとヤリたいとまでは思ってねえし。」
 いつも京はそう思うのだった。
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