NAO



 「さっきさ、古賀さんから父さんの事聞かれたよ。」


 「何て聞かれたんだ?」


 「“父さんは元気にしてる?”とかだよ。」


 「古賀さんって、愛の親父さんが好きなのか?」


 「そうだよ。古賀さんは顔や態度に出やすいからね。」



 そう言うとナオは“そっか”と笑った。


 右耳に付いている、青いピアスをちらつかせながら。


 あたしはジッとピアスを見ていた。



 「愛、どうかした?」


 「えっ…いゃ、そのピアス似合ってるなぁと思って。」


 「あぁコレ?あげようか?」


 「えっいいよ。あたし、穴がないし。」


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