NAO



 病院を出たあたしは、精気をなくしたようにフラフラと家に向かった。


 ナオが…あたしに…会いたくない…。


 ウソだよ…そんなのウソだよ!


 頭で分かっていても…気持ちはついていけない。


 零れそうになる涙を必死にこらえたー…。


 家に着いたあたしは部屋に入ると、ペタンと床に座った。


 ナオに渡すはずだった…クリスマスプレゼントを抱えてーー。


 おばさんから、言われた言葉がグルグルと頭を駆け巡る。


 ナオが会いたくない…新しい人を見つけて…。


 新しい人?ナオ以外と付き合うなんて考えられない。


 あたしにはナオしかいないーー。


< 275 / 367 >

この作品をシェア

pagetop