NAO
†ありがとう



 フラフラと街を歩く俺はドンッと人にぶつかる。


 “どこ見て歩いてんだ!”と言われるけど…気に止めなかった。


 ただ頭にさっきの話が流れるー…。


 あの手紙が…親友に託して愛の最後の言葉。


 強くなると決めた…まっすぐに進むと決めた。


 だけど…こんなにも愛の存在が大きい。


 俺…やっぱり愛がいないとムリだ…。


 横断歩道の前で立つナオの目の前は車が行き交っている。


 愛…俺は弱かった。


 ごめんーー。


 車が行き交う中、吸い込まれるように中に入ろうとしたー…。


< 346 / 367 >

この作品をシェア

pagetop