【盲目の天使】番外編
ノルバス城の高い塔の天辺が、太陽の輝きに照らされて、光を反射している。
・・やっと帰ってきた~!!
ノルバスの重要な産業である鉱山で事故がおき、ことの収拾にあたる事になったカルレイン様とともに、
俺は、2ヶ月ぶりに、ノルバス城へと戻ってきた。
カルレイン様は、どうもリリティス様のことをいたくお気に入りのようで、
鷲のジルを使って、密かに恋文のやり取りをしているらしいのだが、
残念ながら俺には、そんな便利な鳥などいるはずもなく。
ルシルに挨拶もできないまま、2ヶ月も城を空けてしまった。
・・まったく、こんなことになるなら、あのとき口付けの一つでもしておくべきだった。
俺は、この二ヶ月、ひとり、もんもんとルシルのことを考えて、過ごしていた。
もちろん、仕事も頑張ってこなして、もう少しでルシルに会えると思えば、
ひとりでに足も軽くなるってものだ。