【幼なじみの恋愛事情】
「それにしてもさ……もう進路のとか早いよね」

「だな」

「だって、まだ高校受験から1年も経ってないんだよ?なのに、もう大学受験ですかって感じだし」

「仕方ないじゃん、この学校に来たからには」

「だよね」

みーは、大きなため息をつきながらサッカー雑誌を閉じた。

「お母さんたち、今日帰ってこないから泊まらせてね」

「ああ」

みーは、いきなり立ち上がりバックからグレーのスウェットを出した。

「お風呂先、入っていい?」

「どうぞ」

「じゃ、お先に」

みーは、鼻歌を歌いながら俺の部屋を出た。

俺は、みーが読んでいたサッカー雑誌をパラパラっと開いた。

「あ……」

この記事、また見てたのかよ。

みーが読んでたのは、中学の中体連の全国大会の記事だった。

いつも、あいつは部屋に来るとこの記事を読む。

しかも、俺の目の前で。

なんだか、照れくさくなってしまう。

みーが自分の姿を蔭ながら、応援してくれると思うと。

「翔~!!終わったよ」

「おう」

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