【幼なじみの恋愛事情】
――――――去年の夏。
私が、中3で部活と勉強に追われていた生活だった。
休む暇もなく、部活から帰ってきたらすぐに勉強。
その繰り返しだった。
中体連で優勝したとき、付属高校から推薦が来た。
でも、私はすぐには返事しなかった。
一番の理由は、翔。
翔と離れるのは、ものすごく嫌だった。
翔に甘え過ぎてたかもしれないけど、翔がいない生活なんて考えられなかった。
そのことを、翔に打ち明けるべきかずっと悩んでいた。
でも、翔は私の気持ちにすぐに勘付いてしまった。
「お前、推薦来たんだろ?俺のことは、いいからあの高校いって大好きなテニスやれよ」
そう翔は、私に言った。
翔の優しさは、伝わった。
「俺、テニスをやっているお前の姿が一番好きなんだよ。だからさ、あの高校行って来いよ」
この言葉の意味は、特に理解してなかった。
でも、この言葉がきっかけで私はこの学校に入学することを決意した。
気がついたら、翔も推薦が来てたらしく偶然にも同じ高校だった。