レモン

「何言ってんの!!結婚したら何人だって産んであげるよ。
じゃあ、初めは女の子ね・・・。
私は男の子が欲しいから2人目は男の子。
俊司似たカッコイ~イ男の子!!」


浮かれて先を歩く私の後ろに俊司がいる。


彼は空を見上げていた。

私が近づくと空に手を上げて指をさした。


「1番星・・・。」


空には月が昇り始め1番星が出ていた。


「あの星は誰だろうね・・・。
1番星だから・・・1番好きな人なのかな?」


私がそう俊司に問いかけたら、


「あれは誰でもないよ。死んだ人は星にはならない。
あんな宇宙の遠い所には行かないんだ・・・。
1番大切な人の側でその人を永遠に守り続けるんだよ・・・。」


そう言って先に歩き出してしまった。



私はその言葉を考えながら星を見ていた。




そして、俊司の後を走って追いかけた・・・。

< 62 / 106 >

この作品をシェア

pagetop