藍色レインデイ

水玉模様に染まる


ザーザーと、また少し強くなった雨を体一杯に感じながら、歩く夜の道というのは酷く幻想的なものに感じられる。
不思議な雨の魅力に魅入られながらも、頭の中は茜で一杯だった。

「芹沢 茜……か。」

ポツリと紡ぎ出された彼女の名前に、不思議な安息を覚える。


何で自分は彼女に声をかけたのだろう。
自分の性格では人にいきなり声をかけることなど珍しくはないのだが、彼女に声をかけるたのは、何時もとは違って言葉で表せない力が関わっているような感じだった。

悩んでも答えなんて、そう簡単に見付かるものではないとは承知しながら、雨にうたれながら悩み続ける。
雨は容赦なく僕の体に叩きつけ体温を下げる。
さっきまでの小降りが嘘のようにふりつける雨を、服がガンガン吸収し、重くなった体は歩くのさえ酷く億劫にさせる。

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