すきだよ。


カバンの中をごそごそやるけど、実はどこにあるか目星はついてる。


生物準備室。


ダッシュで走り去ったとき、ドアにぶつかったからなぁ。
どんだけ間抜けなんだよ私。


でも、昨日の今日だしなぁ…。


そんな事を私が思っていると、教室にいる女子が急に騒がしくなった。

何々どうした。


「あ!」
「優香ちゃん。」


ドアには先輩がいて。
やっばい今日もかっこいい。


でも何で私?
女子の視線が痛いんですけど。


「何ですか?」


私が先輩のほうにいくと、先輩は手のひらを差し出した。
昨日私の頭撫でた大きな手。それを思い出して赤くなる。


「これ。優香ちゃんのだよね?」


手のひらにのっていたのは、探していたストラップで。


「そうです!ありがとうございます。」


「あそこのドアんとこ落ちてたよ。」


やっぱり。
でもこうして先輩が届けに来てくれたから、なくしてよかったかも。








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