ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『見つけた時、楓は鼻たらして泣いてたな』

敬大は笑いながら言った。

『泣いてたけど鼻なんか垂らしてないよ!!』

楓は焦りながら否定した。

そんな楓に敬大は笑った。

そしてしばらく静かな沈黙が続いたと思えば、敬大が突然歌を口ずさんだ。

『繋がってる いつだって この空のように 二人はずっと〜♪』

『け、敬大?』

楓は突然歌い出した敬大に驚いた。

『この歌…初めて自分で作った歌…あの日楓の涙を止めるために出来た、初めての俺の歌…』

『敬大…』

楓は敬大を見つめた。

『なあ楓、楓が幼なじみで良かった。そうじゃなきゃ、今の俺はいないからな。これからもずっと幼なじみでいてくれよな』

敬大はそう言って微笑んだ。

『う、うん…』

敬大の言葉に楓は複雑な心境だった。

『あっっ…ぐっ…』

そして敬大の傷口がまた痛みだし、敬大は痛がりだした。

『け、敬大!!しっかりして、敬大ぁぁぁ!!』

楓の叫びが夜空に響き渡った。

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