ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『清凜総合病院ってわかりますか?』

一色は尋ねた。

『清凜総合病院って…確か大阪の有名な病院ですよね?』

敬大は考えながら言った。

『そうですよ』

一色は答えた。

『その大阪の看護士さんが、俺に何の用ですか?』

『瑞輝敬大さん、あなたのお母さん瑞輝薫さんに会ってあげて下さい』

一色はそう言って敬大に頭を下げた。

『えっ…!?』

敬大は一色の言葉に驚いた。

『お願いします、瑞輝薫さんに会ってあげてください』

一色はもう一度頭を下げて頼み込んだ。

敬大はその一色の姿をしばらく見つめていたが、ドアノブに手をのばした。

『すみません…それは出来ません。お引取り下さい』

敬大はそう言ってドアを閉めようとした。

『瑞輝薫さんはガンなんです!!』

その一色の言葉を聞いた途端、ドアを閉めようとしていた敬大の手が止まった。


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