ミュージック・ラブ3〜愛を奏でるメイフラワー〜
『なあ、楓。敬大に俺が楓にプロポーズしたこと言った?』

雪の降る帰り道、蓮は隣を歩く楓に尋ねた。

『えっ…うん』

楓は静かに頷いた。

『そっか…敬大は何て言ってた?』

『えっと…蓮くんなら絶対幸せにしてくれるよって…おめでとうって言ってた』

『ふーん、そっか…』

蓮は何かを考え込みながら言った。

『蓮くん?どうしたの?』

楓は蓮のその様子が少し気になった。

『なあ、楓。ほら』

蓮はそう言って目の前を舞う白い雪を右手で掴んだ。

そして楓の目の前でその右手のこぶしを開けて見せた。

『えっ!?』

楓は驚いた。

雪を掴んでいた蓮の右手の掌の上には、銀色に輝く指輪があった。

楓の左手を手にとり、蓮は掌の指輪を楓の左手薬指にはめた。

『これが俺たち二人だけの雪星』

『蓮くん…』

楓は突然のサプライズに驚くばかりだった。

『敬大が俺たちの事“おめでとう”って言ってくれたから…だから今楓に正式に婚約指輪を渡す事にしたんだ。さあ、帰ろう』

蓮は楓の手を握りしめ歩き出した。

そう、二人の未来へと。


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