強引な君と甘い恋




「え、今の?竜…だけど」



いきなり話をふられてビクついた誠司くんは、メガネを上げて答えた。



「竜って?」



それだけじゃ分からないと、あやめは彰に顔を向けた。



「御堂竜駕よ。あやめも聞いたことくらいあるでしょう?」



あたしを離した彰は、首だけをあやめに向けて言った。



「え?あの御堂竜駕ァ?うそ、あいつなの?」



あやめ、知ってるのかな?


すごい驚いてるけど。



そんなに有名な人なのかな?


御堂竜駕って…




「美春、マジで気を付けた方がいいかも」



しばらく暴れていたあやめが、あたしに近づき肩をガシッと掴んで言った。


「う、うん」


「絶対に何かあったら言うんだよ?いいね?」



「わ、分かったから…は、離し…て」



体を前後に揺すぶられながら、あたしは頷いて言った。




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