―不可能な共存―
学校に到着すると、騒がしくあたしを呼ぶ声が聞こえてきた。


「藤嶺先生!藤嶺先生!」



せっかく気持ちのいい朝なのに誰だよ。



うるさい。



声の主はすぐにわかった。



つるっぱげで脂性のこの学校の教頭だ。



「なんですか?」


「あの、ちょっと話があります」



この教頭はなぜか、あたしと話をする時はいつもビクビクしている。



「だから、なんですか?」



とにかく、めんどくさい事を言われそうな気がしてならない。


「申し訳ないんですが…」



そう思うなら、その先は言わないでほしい。



「担任をやってもらえませんか?」
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