―不可能な共存―
「そろそろこっちからも質問していい?」



あたしの真剣な表情を見ると、コウスケは黙って頷いた。



「お兄さんを、助けたいのよね?」


「兄貴、もう本当にヤバいと思う。だから、どうにかして助けてやりたい」



ジャンキーを救う事は、救う側にとってもほとんど命がけになる。



生半可な精神力では出来ないのだ。



コウスケにはそれに耐える覚悟はあるのだろうか。



「最後までやれる?


もし途中で投げ出したら、お兄さん今まで以上にダメになってしまうかもしれない。


それに、あなたも辛いよ」


「わかってる。


それでも助けたいんだ。


薬に負けるような最低なやつだけど…


でも俺の兄貴だから。


家族だから」



コウスケがそう答えた時、授業開始のチャイムが校舎中に鳴り響いた。
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