―不可能な共存―
「お前もやる?」


「いい。あたしは今のまんまがトべるから」


「ふぅん。針いっぱいあるから、やりたくなったら言えよ」


「うん…」



少年は少女の目の前で注射器を取り出し、慣れた様子で自分の左腕に迷うことなく打った。



中のモノを全て注入し終えると、空を仰ぎ、薄く白目をむいて気持ちよさげに息を吐いた。



「マジ最高…」



少女はそんな少年の様子を見て複雑な表情を見せた。



「ねぇ」



少女が少年を呼んだ。



「何だよ」



少年が返事をする。



「あんた将来どうすんの?学校行ってなくて、働いてもいない。このままだと墜ちるだけだよ」



少年はまた少し笑った。



「お前も似たようなもんだろ。


一応学校は行ってるみてぇだけど、お前なんか俺と一緒で誰からも相手にされない。


俺たちに将来なんてねぇんだよ。


だからさ、ずっと俺と一緒にいろよ」
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