全てがキミだった


だけど、何故、綾からわざわざこんな高級な贈り物が来るのだろ……


……あ


ヤバイ……


完全に忘れてた。


9月19日。


お母さんの誕生日だ。


「この香水、ずっとお母さんが欲しかったやつなのよ」


包みから取り出したお母さんは、その香水の香りにうっとりしながら顔を緩ませていた。


やはり、綾はさすがだ。


何にしても、しっかりしている。


きちんと誕生日の日に届くように準備しているなんて。


それに比べてわたしときたら……


情けない。




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