全てがキミだった
「なにそれ」
笑いながら言った。
「池内は、嘘の付けない顔をしてんだよ。
素直すぎ」
そう言って、公平がわたしの鼻を指で弾いてきた。
「いったい!!!」
わたしが鼻を大袈裟に押さえると、公平はお腹を抱えて笑い出した。
「やっぱ、変わってねぇや、おまえ」
目尻に溜まった涙をぬぐう公平を見て、わたしは目を泳がせる。
――返すなら、今しかない。
わたしは生唾を飲み込んで、紙袋の中に手を入れた。
手探りで、ボールを掴む。
頑張れよ、わたし。