夕暮れ
タクシーが自宅に着き
昇が先にタクシー代金を支払っていたので
お釣だけもらって
タクシーから降りた



マンションの
入り口横にある
自動販売機で
水を買ってから部屋に上がった。


少しヒンヤリ感じるエレベーターに乗り
7のボタンを押す


昇はまだここに来たことはない


誘っても帰っちゃった



でも…
今日しちゃったし
今度からは来るかな


そんなことを考えると
胸が弾むように鼓動を早めた



眞奈は
また、エレベーターのガラスに映りこんだ自分の顔をみた

今度は
にっこり微笑む


今日も
うまく笑えた



エレベーターが7階に着いて止まった


部屋の鍵を出して
ドアに鍵をさす


部屋に入ると
明かりをつけ
次に
テレビをつけた


この狭いワンルーム
テレビの音くらいしていないと寂しい

息が詰まりそうになる


だから
お気に入りは
7階のこの町並みを眺められる
バルコニーだった


何時間もボーっと
立ってることもあった


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