僕のお姉ちゃん
桜野には、俺は素直になれるんだ。

そう、思う。



「助けた……? 私が?」



あれ、桜野って天然?


「助けてくれたよ、いっぱい。さっきもそう、今だって看病してくれて。一緒に学校休んでくれてるじゃん……姉貴のことだって、自分からは聞かないでくれた」



桜野が、友達でよかった。本当に。



「ありがとな、桜野」



じゃぁさ……



桜野は、そうつぶやいて、うつむいた。

なんか、いつもの桜野じゃない……。


「桜野?」


ポタッ……


「え……」



桜野の手に、涙が落ちた。
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