僕のお姉ちゃん
「っ……離せよっ! 姉貴……っ……」



なんでこんな時に熱が復活するんだ……。


思うように抵抗できない。

押し倒されたままだ。



「ふふっ……悠、変わらないのね。可愛いまま。涙なんか溜めちゃって」



顔が赤くなるのがわかる。

逆効果だとわかっていても、思わず顔を背ける。



「……誘ってるの?」



そっとあごを持たれたかと思えば、ぐっと姉貴が近づいてきて、唇が塞がれた。


汗に混じって、涙が頬を伝う。

舌が入ってきて、思わず反応してしまう自分が憎い。



酸素が足りない。

だめだ、もう抵抗なんていっている場合じゃない。

手足はおろか、体全体、脳まで機能しなくなっている。



意識を手放す寸前、浮かんだのは春の涙。


なぜか、罪悪感が、胸の中を支配した。
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