ワタシの中の少女
目覚め
「…早くしなさいっ、またギリギリじゃあないの!」
…こんなセリフ云いたくないのに、またいつものキレママを演りながらワタシはこの日常に何とも言えない違和感を覚えながらただ目の前の雑務に追われ淡々と生きていた。
「生きていた」というけれど、心が喜びで満たされるような「活きた」感覚は全くなかった。ただ命がまだあって燃え尽きるまでワタシは何をすればいいのか途方もない漠然とした不安を抱えながら「息をしている」状態を繰り返しているかの生き方に焦りを覚えていた。
燃え尽きるなんて書いたけどそんなに人生で達成感を味わえた人はどれだけいるのかな。生きているだけでいいんだよなんてよくいうけれど、じゃあこのぽつんと取り残されたような空虚感は何なのか。
満たされる、を知らない欲望はマグマのように沸々とワタシの心の奥底にいつ噴出するか、機を狙っているかのようにくすぶり始めていた。
考えるから生きヅライのにふとした瞬間にワタシの隙間にふっと入り込んで「それ」は時がたつにつれ大きく膨らんで離れなくなってきていた。
< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop