ピンクの小象と酔っ払いとモノバケ様の物語~「労働の価値」スピンオフ
4章 酔っ払い

いずこからか
 光が 降り来たり
 小象は
 鼻を ふりたてて
 うでを
 さかんに ふり回す。

それは こう
 叫んでいるのだろう

≪われこそは
  おかねのもと!
 われこそは
  富!
 われこそは
  力!
 ひとに 売らせる
  力なり!

 ひれふせ!
  貧乏人よ!
 われに
  膝まづけ!≫

「へへーっ!」
 男は ひれ伏します。
力の抜けた腕のせいで
 まるで
  つぶれた
   蟇(ひき)のよう…

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