きみのて
学校へ行けない日々が続く。


家へ持ち帰った課題に、少しでも調子のいい時間をみて手を付ける。


せっかく母が作ってくれたお弁当を、家で食べなければならないことが惨めで、たまらなく、食べながら涙があふれた。

食欲がない。
味もわからない。


洗面台に走って、顔を洗いながら声をあげて泣いた。


髪も抜け続ける。

髪がなくなってしまうんじゃないかという恐怖を、自分でエクステをつけてごまかした。


少し調子のいい時間、凝ったネイルアートを施したりしてみる。

ラメ入りブルーのグラデーションネイルに、星のアクセントが輝いた。



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