確かで不確かな未来に。






クラスメートの視線が集中しているのが分かる。



仕方ない…



俺は立ち上がって黒板に近づくと、“右手で”チョークを持った。




でも…書けない。



力が入らないんだ。



無理に書こうとすると、ずきずきと痛む。




背中にたくさんの視線を感じる。




そのただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、先生は慌てながら、




「…あー、ごめん、平井。やっぱこれはお前には難しすぎたな。」



と言った。




「うわ、先生、俺のことバカにしてますね!?たまたま分かんなかっただけですよ、たまたま!」




「おぅ、すまんすまん。」




いつもなら教室に溢れ返るほどの爆笑が…今日はない。








< 11 / 47 >

この作品をシェア

pagetop