君の面影
「し、知らない。貴方とあったのは初対面だから、適当なこと言わないで」


「そうですか、残念ですよ。でも先輩、覚えててくださいね?必ず俺のこと惚れさせますから」


心当たりのない私は首を横に振って掴まれていた腕を振り放した。
一刻もこの場所から離れたかった為、目の前にいる男子の横を通り過ぎようとしたその時
男子の声が私の足を止めた。そして、こう言ったんだ。


「先輩、俺の名前教えてなかったですよね。俺の名前は白川蓮(シラカワ レン)覚えててくださいね」


まっすぐな瞳。何の迷いもなく何の恐れもない。私とは全く正反対な瞳(メ)
私はすぐさま走り出した。思い出したくもないのにまだ耳に残ってる。
蓮の、さっきの言葉が。

自然と顔が熱くなっていくのが自分でもわかる。男なんて信用ない。
だから、大嫌いな筈なのに。


゛必ず俺のこと惚れさせますから゛


あの言葉だけがずっと、頭の中に響いている。
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