ローズ・フェンス
第一章

お城

--コンコン

「おはようございます。緋蓮です。」

 さて、私の主殿は今日は起きていられるでしょうか。
なんたって朝が大の苦手な方でいらっしゃいますからね。

「皇子?入らせていただきますよ」
 
 毎朝、毎朝おんなじことの繰り返しです。
正直めんどくさいと思わなくもないです。
今日はどうやって起こしてしましょうか。

 そう考えながら私は皇子の寝室のドアに手をかけた。

「緋蓮、起きてる」

 いつもなら聞こえない声に一瞬私は固まった。
思考をめぐらせて考えてもこのお声はあの方
ふ…不覚であります。

 まさか起きていたなんて。年中無休何があろうと早起きとは無縁のお方だと思っていたのに。

「あ、えっと…では、あの」

 い、いきなりのことに思考が追いつかないです!!
仕度ができたらって言いたいのにうまく言葉が出てこない~!

「--入れ。」

「あ、はい。失礼します。」

 その言葉に私は素直に従う。
扉を開けて部屋の中に入るとまだ夜着のままの皇子。
上半身が肌蹴てるのはこの際無視します!
 
 でも、でも目に毒です!!
頬に手を当てると熱いです。綺麗についた筋肉が…って何を考えてるのでありますか!!

「緋蓮」

「っはい」

 その言葉に私は俯いていた顔を上げる。
いつ見ても整った顔。漆黒の瞳に漆黒の腰まである長い髪。

「着替えるから」

「失礼します」

 着替えるなら『入って』とか言わないでください!
他の方呼んで来ますから!!

「手伝ってくれるよね?」

いやです、いやです。いやです!!!

「緋蓮返事は?」

「…………はい」

「随分と返事が遅いみたいだけど」
 
「やらせていただきます。」

 
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop