謝罪人 Kyouko
「なかなか理解してもらえないのも無理はありません。まだ、始めたばかりの仕事ですから」

木村が真顔で言った。

「でも、あなたは、私が探している人材にピッタリなんです」

「人材って言われても・・・」
恭子は、いまいち理解できない仕事の内容に疑問を抱いた。

「あなたが、この店でやっている謝罪の仕事を、私の会社で仕事としてやっていただきたいんです」

木村が熱心に誘った。

「・・・・・・」

「失礼だが、ここでのバイトの金額より、数倍の収入はお約束できると思います」

「えっ! 」
一瞬、収入の話に恭子は興味を示した。

しかし、お金だけで仕事を選ぶと、結局は苦労してしまう。
今のクレーム係を担当して、そのことはわかっていた。







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