謝罪人　Kyouko

罪の意識　②

恭子と松山は、店の外に出た。
店の裏には小さな公園がある。

松山が公園のベンチに座った。
恭子は立ったままだった。


「聞きたいことって？　」
松山は、黒のストレッチブレザーの内ポケットからタバコを取り出した。

「・・・・・・」
いざとなったら、恭子は聞き出せずにいた。

「ひょっとして・・・島田市長のことか？　」
松山は、ブレザーの外ポケットに手を入れてライターを探しながら言った。

「おかしいな・・・」
松山は立ち上がって、ズボンのポケットに手を入れてライターを探した。

「どうぞ」
恭子は、自分のポーチから百円ライターを取り出して、松山に差し出した。

「すまないな」
松山はライターを受け取り、タバコに火をつけた。
そして、恭子に返そうとした。

「良かったら、差し上げます」
恭子がライターを見て言った。

「そう・・・すまないね」
松山は、そっけなく礼を言って、ライターをブレザーの内ポケットに入れた。



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表紙・目次

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